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BPC Barcelona 2024 参加レポート 「APMP BPC Barcelona 2024に参加しました ! 」

皆さま こんにちは !  APMP 日本支部 瀬戸 光博 でございます。
暖かい春の日差しを少しずつ感じられる様になり始めた3 月の陽気に誘われこの度 APMP BPC Barcelona 2024 に参加しました。

BPC (Bid & Proposal Conference) は、毎年 5 月にアメリカの 1 都市を会場として APMP HQ開催していますさらに春にも毎年 3 月もしくは 4 月に、BPC Europe という名称で主にイギリスやオランダを会場として APMP HQ が開催しています。今年は 3/73/82 日間、スペイン・バルセロナの Hilton Barcelonaを会場として BPC Barcelona 2024 を開催しましたBPC Europe のイベント参加については、実は私は今回が初めてではなく、 3 年前の 7/1BPC Europe 2021 ONLINE という名称で、コロナ禍の最中に 1 日のオンラインイベントとして開催され、その時にも所属企業である SAP Asia Pacific and Japan RegionBid Manager30 名と一緒にオンラインで参加しており、今回が 3 年ぶり 2 回目となります。

今回 日本支部からの参加者は私 1 人でしたが、SAP からは SAP SpainSAP America (SAP Concur) の同僚も参加しており、彼らと現地で会うことが出来ました。

今年の BPC Barcelonaは世界中からビッド&プロポーザルに関するプロフェッショナルが約 220名参加していました。 

昨年のBPC Orlando 2023参加レポートはこちら

今回 BPC Barcelona に参加したきっかけは幾つかありました。以前から毎年この時期に開催される BPC Europe に参加して、ヨーロッパ諸国や世界各国の支部 (チャプター) の方々との関係を拡げたかったこと、昨年 12 月に APMP Award (APMP Bid & Proposal Industry Executive of the Year) を受賞したので、個人的に自分へのご褒美としてスペイン・バルセロナ観光も兼ねて行ってみたかったこと、今年から 3 年間 APMP Board of Directors に就任したので、APMP Board Member APMP HQ Staff 等にも久しぶりに会って直接会話したかったこと 等です。

ヨーロッパへの渡航は 18 年ぶりで、20067 月上旬にサッカーワールドカップを観戦するためにドイツ・シュツットガルトに約 1 週間行ったのと、その翌週後半から 約 1 週間、当時の会社の出張でイギリス・ブライトンに行きました。それ以来のヨーロッパなので内心嬉しい反面、地球の歩き方スペインるるぶスペイン“ などのガイドブックも購入したものの直前までほとんど読まず、且つ 「スペイン語をほとんど喋れないけれど大丈夫なのか?」 と思いつつも、何とかなるだろうといつもの様に心配せずに渡航しました。

BPC Barcelona 3/73/82 日間のイベントでしたが、私は 「せっかくバルセロナに行くからには観光もせねば !」 ということも鑑み、3/5 の深夜に羽田を発って当日バルセロナに昼頃に到着するフライトを選んで渡航しました。

このフライトにより現地バルセロナで 1 日半くらいの時間が確保出来ました。現状では日本からスペイン各地への直行フライトが存在しませんので、今回、行きはイギリス・ロンドンヒースロー空港経由で、帰りはフランス・パリシャルルドゴール空港経由を選びました。

渡航はスムーズにいくかと思いきや、ヒースロー空港内でここでは書き尽くせないほどのいろいろな沢山の事が起き、パニックするよりもむしろワクワクしながら楽しみ、無事にバルセロナの地に足を踏み入れました。

東京から約 19 時間の渡航となり、さらに予定よりも 2 時間ほど遅れましたが、今回の BPC Barcelona の会場にもなっているホテルに到着した時には、8 時間の時差の影響も受けずに意外とまだ元気な自分が残っていました。ホテルからは海 (地中海) も見えて思っていた以上に景観が良く、近くに日本でも見慣れたお店があり、それらを散策しながら夜までの時間を過ごしました。

長時間のフライトと時差ボケによる睡眠バランスの影響を受けたことで、3/5 の初日は疲れ切ったフラフラの状態で眠りにつきました zzz ...


3/6 の朝はその反動からなのか、ゆっくりのんびりと9:00 過ぎにスッキリと目覚めました。まだその日はイベント開催日ではなかったことと、その日の天気は朝から爽やかな晴天でしたので、ホテルでのんびりせずに観光することにしました。バルセロナでの観光というと、有名なサクラダ・ファミリアやピカソ美術館、カタルーニャ広場などがありますが、とても1日ではまわりきれないと思ったので、ホテルから徒歩15分程度で行ける カンプ・ノウ スタジアム (FC バルセロナの本拠地) に決めました。

尚、現地に行って分かったことなのですが、カンプ・ノウスタジアムは現在改築中ということで、事前にガイドブックで調べて参加しようとしていたスタジアム見学ツアーは当然の如く無理でしたので、敷地内にあるカンプノウ・ミュージアムの見学ツアーに参加しました。ミュージアムのツアー見学も含めてスタジアム周辺の改築中の様子も見ながら 4-5 時間滞在し、ホテルに戻りました。

ホテルに夕方ごろ戻り、翌日からのイベント準備をしていることを想定し会場の下見として様子を見に行きました。
同じ週に別企業がイベントを開催していた様で、会場内の様子が前日ではほとんど確認出来ませんでしたが、フロアの隅にあるソファーに6人ほどの見かけたことがある様な人達がくつろいでいました。その中の 1 人が “Hey, Mitsuhiro !” と声をかけてきたので振り返って近づいてみると、APMP HQ StaffChelsea MacKenzieが私を見つけて声をかけてきました。 ソファーに近づいて私からも Chelsea に挨拶をし、周りの5人のスタッフにもそれぞれ挨拶しました。周りのスタッフは昨年後半に APMP HQ に加わった人達ばかりでしたので、メールのやり取りや LinkedIn でつながっていてそのプロファイル写真から推測してから名前と顔が一致した人達でした。さらに数人のスタッフは昨年末の Award 関連でいろいろとお世話になっていました。私のことを既に知っている人も 2-3 人くらいいたので、私から 「やっと皆さん直接会えましたね。Award の時は大変お世話になりました。Award が獲れたのは皆さんの多大なるご協力のおかげです。感謝しています。ありがとうございました。明日から 2 日間よろしくお願いしますね。」とあらためて挨拶しました。


そして 3/7 9:00 からの Registration Open とともにBPC Barcelona 2024 Day 1 が始まりました。

イベントそのものは 10:00 からの Welcome / General Session から開始でしたので、私は9:00 ごろに SAP Spain の同僚 Juan Andres Peiro とホテルロビーで待ち合わせをしていました。

Juan とは今までメールやチャットでのやりとりのみでしたが、BPC Barcelona の場でやっと Juan に直接会うことが出来ました。Registration を済ませた後、一旦スポンサー企業が集まっている展示会場に入り Juan と話していると、スポンサー数社の方々から私たちに声をかけられ、名刺交換しつつ挨拶がてら話しました。その最中に Juan と私がSAP であることを知った女性が近づいてきて、「私は SAP America (SAP Concur)Proposal を担当している Jennifer Sekarka です」 と英語と日本語で挨拶してくれました。私に日本語でも話しかけられたので Jennifer に事情を聞くと、アメリカの大学卒業直後に来日して 3 年間、東京の高校で英語講師として勤務していた とのことでした。これで同僚がまた1人増えたということで嬉しくなり、10:00 からの Session 会場に 3 人で向かいました。

最初の 1 時間の Welcome / General Sessionは、 Rick Harris (CEO, APMP), David Gray (Chair of APMP Board of Directors), Julia Duke (COO, APMP) が、世界中からこの Barcelona の地に集結した ビッド&プロポーザル業界のプロフェッショナルの参加者に向けたスピーチで始まりました。(参加者 216 名、Japan も含め 20 Chapter から参加とのことでした)

このセッションでの大きなトピックとしては、David から APMP AI LLM Tool として “APMPs PIN” をアナウンスしました。APMP HQ は今回のスポンサー企業でもある Rohirrim 社と連携してこの LLM Tool を展開しました。

PIN とは “Professional Intelligence Navigator” の略語で、apmp.orgWeb Site に会員のアカウントでログインすると右下部にAPMP’s PIN がポップアップして現れ、APMP 関連の情報源にフォーカスしたツールとなっています。この日はアナウンスのみでしたが、翌週の3/12 から正式にリリースされていて、日本語も含めて133 言語に対応したツールとなっています。この APMP’s PIN は、会員の皆さまの今後の提案活動に非常に役立つツールになることでしょう。

最初の General Session が終わって休憩の後は、3カ所に分かれて 45分ずつのセッションが並行して進められていました。2日間で 2 General Session 以外に 28セッションがあり、そのうち 9セッションが AI 関連でした。

Juan Jennifer と私は、「今回はやっぱり AI が流行っているので AI中心のセッションに出ましょう」 ということで、AI 関連のセッションのみに参加しました。
セッションスピーカーは、私の様な IT ベンダー企業所属よりもスポンサー企業所属の方がほとんどで、AI の自社製品概要を最小限に説明する程度に留めて、主に提案活動時にどの様にAI を活用出来るのか等について説明していました。製品の詳細については、展示ブースでデモも含めて説明するということに徹底していた様です。
AI
関連セッションについては、昨年の BPC Orlando 2023では AI のコンセプト中心の説明がほとんどでしたが、今回からは 「AIを提案活動で具体的に活用することにより、生産性が xx% 向上した」 ことや、「コストや資料制作日数を xx% 削減することが出来た...。」 等の実例を説明していたセッションが多かった印象です。

Day 1 のセッションがひととおり終わり、17:30 からは TARA (The Art of Reconnecting Annually) という、年に1 度の世界中の仲間との再会を楽しむ というコンセプトのディナーパーティーが始まりました。

実は、休憩時の Tea / Coffee Break も Lunch も TARA も、全てスポンサー企業の展示に囲まれた中心部や周辺にドリンクやビュッフェなどが用意されている場所で行われていましたので、参加者だけでなくスポンサーの方々とも密接していてネットワーキングを拡げることが出来る環境でした。今回の TARA は、バンドの演奏やカジノなどを楽しむという感じではなく、お酒を飲みながら賑やかに沢山の人達と喋りあうことが中心でした。ちなみに同僚の 2人はそれぞれ個人的な用事が夜分にあったため、30 分程度だけお付き合いしてくれました。その後は他国からの複数の参加者が気軽に私に声をかけてくれて、初対面にもかかわらずいろいろと話したり、Rick や David とも飲みながらいろいろと話せました。

スペインに滞在してから感じましたが、ホテルの朝食ビュッフェも然り スペインで飲食するものは全てが美味しくて、私もシャンパンを沢山飲みながらイイ感じに出来上がってしまった夜を過ごしました。


この様な感じでDay 1 が終わり、3/8Day 2 が始まりました。 2 日目の General Session は、”2024 RFP Trends & Benchmarks” というタイトルで、Rick, DavidKatie Flood (Loopio)3 人によるパネルディスカッションでした。 これはスポンサー企業のLoopio 社が個別に世界各国 (日本は含まれていません) から Survey を取り、分析してまとめたレポートの内容を中心にディスカッションしていました。このセッションで投影された内容は共有出来ませんが、なかなか興味深い内容・情報を的確に分析していました。

2 日目もその後のAI 関連のセッションを中心に参加しましたが、その中の 1 つに “EMEA AI Advisory Group” というヨーロッパとアフリカの複数のチャプター(ドイツ・フランス・オランダ・ノルウェー・南アフリカ・イギリス) の会員で構成されているグループを紹介したセッションがありました。このグループの活動としては、昨年 3 月にオランダ・アムステルダムで開催したBPC Europe 2023でグループ結成がアナウンスされ、9 月に最初のミーティングを実施し、その後毎月定期的にミーティングを実施しているとのことでした。このグループがディスカッションしている内容は、提案活動時の各フェーズやプロセス (APMP BOKBusiness Development Lifecycle です) 毎に AI を具体的にどの様に活用しているのかについて、詳細にまとめていました。

このセッションは個人的にとても参考になったということと併せて、今後 アジアパシフィック地域として 日本・オーストラリア (ANZ) ・ インド等の各チャプターと協力して、EMEA AI Advisory Group と同様な仕組みを構成してみたい とその場で考えました。現在 私は APMP 日本支部のチャプターリーダーでもあり、さらにAPMP Board of Directors のメンバーでもありますので、その役割やリレーションシップを活用しながら他のチャプターとの連携を進めていくことも検討してみます。

以上の様な感じで、非常に充実した BPC Barcelona 20242 日間を過ごせました。同僚の 2 人とはほとんど一緒のセッションに参加しつつ、休憩時には現在 Bid Manager が対応している実際の案件の相談にも乗ってくれました。併せて世界各国からの参加者との会話では、それぞれのチャプターやリージョンで多種多様な活動を実施していることがあらためて認識出来ました。


今回の BPC Barcelona 2024 に参加して、新たに築くことが出来た同僚や参加者とのリレーションシップやネットワーキングを最大限に活用して、今後の業務に役立てていきたいと思いました。

この BPC Barcelona 2024のイベント規模感を参考にして、今後近い将来にBPC AsiaBPC Japan を日本で開催出来る様に、日本支部の会員の皆さまやオーストラリア・インドチャプター等と連携しながら進めていきたいと考えています。

さらに5 日間のスペイン・バルセロナの滞在を通じて、この国・地域の環境や雰囲気がとても気に入りました。来年の BPC Europe の開催日程や会場については未定ですが、また来年の BPC Europe にも参加したいと思いました。