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会員の声:田嶋乃理子さん、岸野和代さん

お客様に刺さる提案により受注した案件こそ、信頼されるパートナーとして、お客様がHappyになる仕事ができるものと信じています。

社内グローバル部門に「APMP標準チーム」ができました。APMPメソッドを提案活動の業務に活かしたいです。

 

今回はAPMP日本支部の設立より前から提案書支援業務に携わっている田嶋さん、岸野さんにお話を伺いました。

 

--これまでのご経歴を教えてください。

 

岸野さん(以降、岸野)

公共部門(中央官庁、独立行政法人、自治体等)の入札提案支援業務に約16年従事していました。チームで年間100商談を超える提案支援を行ったり、社内向けに提案に関するドキュメントを公開したり、提案に役立つ勉強会を開催しておりました。部署の解散をきっかけに2019年から3年間お客様の研究サポート業務に携わったのち、20224月から現部署にて、社内の提案標準化に向けて邁進しております。

 

田嶋さん(以降、田嶋)

パソコンショールームのインストラクターや公共のお客様を担当する営業職として従事した後、岸野さんと同じチームで提案書作成支援の業務に約7年間携わっておりました。私も組織の解散により別の業務を担当していたのですが、202112月より現在の部署にて再度提案支援のお仕事を担当することになりました。

 

--一度、離れることになった提案支援業務に復帰されたきっかけを教えてください。

 

田嶋)組織の解散後も、APMPの知識は社内提案などにも活かせると考え、APMP日本支部の勉強会に時折参加していました。そして、学習するほどに、富士通の提案を良くすることに貢献したいという気持ちが強くなっていきました。そんな中、社内公募で新たにできる提案支援を行うチームのメンバー募集があり、応募しました。

 

岸野)提案領域に精通する部門長が以前からAPMPの有効性を高く評価しており、グローバル部門内に改めて提案支援を行う組織を立ち上げるとのことでした。田嶋さん同様に提案支援業務に想いを持っていたため、社内公募を利用し異動することになりました。

 

--現在のチームの役割・仕事内容を教えてください。

 

岸野)プロジェクトに対する提案支援を行っています。実は社内で使われているチーム名そのものが「APMP標準チーム」とAPMPを冠にして活動しております。具体的には、社内の提案関連のガイドラインの整備、提案ノウハウの蓄積、提案に役立つツールの提供、第三者レビュー、オポチュニティプラン作成アドバイス ※1 などを行っております。

 1 オポチュニティプランとは、顧客から選ばれるための戦略と行動を特定する計画のことです。

田嶋) 特に、数年に一度の大型案件など負けられない提案の受注確度を高めるために自分たちの支援サービスを活用してもらっています。

 

--APMPを知ったきっかけを教えてください。

 

岸野)APMP日本支部の設立初期の頃からワークショップなどに参加していた志の高い社員がおりました。その方と提案活動を一緒にする機会があり、APMPの存在を知りました。

 

田嶋)その方のお話を聞いた後、式町さんが当時講師を務められていた外部研修(WASEDA NEOの朝活)に岸野さんと一緒に参加し、演習を通じてAPMPの有用性を実感しました。提案活動の実践に、即取り入れられる要素が盛りだくさんでした。

 

--APMPの会員になろうと思った理由、決め手を教えてください。

 

岸野)社内で提案書の品質向上を目指したワーキンググループが発足した際、「世界基準の提案ノウハウを習得しよう」と参加メンバー全員で入会しました。

 

田嶋)私も同様です。会員になった理由は、APMP BOKから提案活動の基本を学び、実践に活かしたかったためです。ワーキンググループでは、APMP BOKと式町さんの著書を参考に、提案活動の進め方を学習しました。

 

--会員であることで得られているメリット、ベネフィットは何ですか?

 

田嶋)BOK勉強会への参加で、会員のみなさんと実践での成功事例、苦労談などを共有することで、多くの気づきがあります。提案活動での悩みは、いずれの会社でも共通する点があり、みなさんの経験談などから勇気づけられることも多くあります。例えば、提案支援を行う中で、自分の進め方が本当にこれで良いのかと悩み、勉強会で話してみたところ、実践での成功事例を紹介してくださり、背中を押してもらったことがありました。

 

岸野)勉強会や日本支部主催のイベントなどで、APMP BOKの読み解き方、他社での取り組みなどを知ることができ、自社での提案活動や自身の提案知識の向上に役立っています。また、海外の動向なども知ることができるため、多くの刺激をいただいています。

 

-- APMPから学んだことで、実務で取り入れていることはございますか?

実務に取り入れることでどのような成果がございましたか?

 

岸野)弊社では、RFP後の提案活動についてまとめたガイドラインがあります。APMPの知識体系とすりあわせることで、自社ガイドラインの内容が間違っていない、と答え合わせができました。不足事項の補完にも大変役立っています。また、提案支援業務の際は、APMP BOKに載っている「典型的な落とし穴と誤解 ※2」に留意した支援を心がけています。

 

2 「典型的な落とし穴と誤解(原文:Common Pitfalls and Misconceptions)」は、APMP BOKに記載されている51の各トピックスの中での解説の一部であり、間違いやすいポイントや注意点が紹介されています。

 

田嶋)以前の部署では、お客様から提案のご依頼があったタイミングから、提案支援に参画していたため、限られた時間の中で苦労している提案プロジェクトを多く見てきました。APMPでは、RFP後だけではなく、RFP前の商談のかなり早期の段階からの取り組み方が細かく整理されています。これを実践することで、効率よく、お客様に刺さる提案ができるものと思います。現在、商談早期からの情報整理の支援に取り組み始めていますが、早速、APMPでの学びが大変役立っています。

 

-- APMPの学びを今後どのように活かしていきたいですか?

 

岸野)今後も自分自身の提案に関する知識をもっと増やしていきたいです。また、その知識を多岐にわたるプロジェクトの提案支援活動で活かしていきたいと考えています。

 

田嶋)提案活動の進め方がわからず、力技で徹夜したけれど苦労が報われない、という提案プロジェクトをなくしたいです。そして何よりお客様に刺さる提案により受注した案件こそ、信頼されるパートナーとして、お客様がHappyになる仕事ができるものと信じています。

 

-- APMP日本支部で今後どのような活動をしていきたいですか?

田嶋)欧米では提案活動において、プロポーザルマネージャーがいるのは当たり前で、日本でそういう役割の人がいなくて、どうやって提案を進めているのかと疑問を持たれるというお話を以前伺いました。日本の企業の一員として、プロポーザルマネジメントの実践により、国内における成功事例を増やしていきたいです。

 

岸野)私自身もAPMP日本支部の会員の方々から実体験に基づくお話を伺い、大変参考になりました。引き続き、勉強会やイベントなどに参加させていただき、可能な範囲で自社での取り組みや成功事例などをシェアしていきたいと考えております。

 

-- 会員の方、これから会員になろうとしている方へのメッセージをお願いします。

 

岸野)グローバルスタンダードであるAPMP BOKにはカタカナ用語が登場します。聞き慣れない用語もあるかもしれませんが、提案業務に関わる人ならば、しっかり押さえておきたいところです。また、APMPの知識体系の全体像を把握するには、資格試験もおすすめです。私自身も試験対策の学習を通じ、自身の知識を整理することができました。会員の方、これから会員になる方も、ぜひ受験をご検討してみてはいかがでしょうか。

 

田嶋)会員が閲覧できるAPMP BOKには、提案活動の実践で悩んだ世界中の人のノウハウが詰まっています。会員間のBOK勉強会では、文字からだけでは理解しづらい点を、それぞれの実践での経験を踏まえて議論しながら読み解いています。日本支部の会員には、提案する側だけでなく、提案を受ける側の方もいらっしゃるので、それぞれの立場の考えを知ることができるのは、大きな学びになります。会員になられたら、ぜひ一緒に学習しましょう。